「障害年金をもらっていたら、生活保護は受けられない?」
「障害年金だけでは生活費が足りないときはどうしたらいい?」
「障害年金と生活保護を両方利用することはできる?」
そんな疑問を持っている方もいると思います。
結論からいうと、
障害年金を受給している方でも、生活保護を利用できる場合があります。
ただし、
障害年金と生活保護を、それぞれ満額そのまま受け取れるという意味ではありません。
生活保護では、障害年金などを含む世帯の収入と、制度上計算される最低生活費を比較し、収入が最低生活費に満たない場合に、その不足する金額が保護費として支給される仕組みになっています。
制度の仕組みは少しわかりにくいので、
「難しい」「自分の場合はどうなるのかわからない」と感じたら、無理に全部を理解する必要はありません。
今の収入や生活状況を一緒に整理するところからでも大丈夫です。
まずは縁結びへご相談ください。
縁結びだからこそ、最初に伝えたいこと
障がい福祉や生活支援の現場に関わっている縁結びだからこそ、最初に伝えたいことがあります。
障害年金を受給している方の中には、
「年金をもらっているから、生活保護には相談できない」
と思っている方がいます。
でも、
障害年金を受け取っていることと、
その収入だけで生活を続けられることは別の話です。
家賃。
食費。
電気・ガス・水道。
通院費。
日用品。
毎月生活していくためには、さまざまなお金が必要です。
障害年金を受給していても、世帯の収入が生活保護制度で計算される最低生活費に満たない場合には、生活保護の対象となる可能性があります。
だからこそ、
「障害年金をもらっているから無理だろう」
と、自分だけで決めてしまわないでほしいと思っています。
障害年金と生活保護は併用できる?
障害年金を受け取りながら、生活保護を利用することは制度上あり得ます。
ただし、「併用」という言葉から、
障害年金に加えて、生活保護費がそのまま満額上乗せされる
とイメージすると少し違います。
生活保護は、
世帯の収入と最低生活費を比較し、不足している部分を補う制度
です。
厚生労働省も、就労収入や年金などの社会保障給付、親族からの援助などを収入として認定し、最低生活費から収入を差し引いた差額を保護費として支給するとしています。
具体的にはどういう計算になる?
仕組みをわかりやすくするため、簡単な例で考えてみます。
たとえば、
生活保護制度上の最低生活費が月13万円
障害年金を月額換算して7万円
だったとします。
この場合、
13万円 + 7万円 = 20万円
を受け取るということではありません。
イメージとしては、
最低生活費13万円 − 障害年金7万円 = 不足する6万円
この不足する部分について、生活保護費が支給されるという考え方です。
ただし、これは仕組みを説明するための単純な例です。
実際の最低生活費は、
- 年齢
- 世帯人数
- 住んでいる地域
- 家賃
- 世帯の状況
などによって変わります。
「自分ならいくらになる」と、この例だけで判断しないようにしてください。
障害年金は生活保護では「収入」になる?
原則として、障害年金も生活保護の収入として扱われます。
生活保護では、就労による収入だけを見るわけではありません。
年金などの社会保障給付についても収入として確認し、そのうえで最低生活費との不足分を計算します。
そのため、
「障害年金だから生活保護の計算には関係ない」
というわけではありません。
なぜ障害年金を先に利用するの?
生活保護には、
利用できる他の制度がある場合は、まずその制度を活用する
という考え方があります。
厚生労働省も、年金や手当など、他の制度から給付を受けることができる場合には、まずそれらを活用することを生活保護の要件として案内しています。
つまり、
「生活保護を利用するから障害年金は申請しなくてもいい」
という仕組みではありません。
障害年金など、利用できる制度を利用したうえで、
それでも最低生活費に届かない部分を生活保護が補う
という考え方です。
障害年金だけでは生活できない場合は?
たとえば、
「障害年金だけでは家賃と生活費を払えない」
「働くことが難しく、年金以外の収入がほとんどない」
「毎月の生活費が足りない」
という場合です。
こうした場合でも、
障害年金を受給しているという理由だけで、生活保護への相談を諦める必要はありません。
生活保護は世帯単位で行われます。
そのため、
- 世帯の収入
- 預貯金などの資産
- 就労状況
- 世帯構成
- 他に利用できる制度
などを確認したうえで、保護が必要かどうかが判断されます。
自分が対象になるかわからない場合は、福祉事務所へ相談して確認することが大切です。
生活保護を受けている途中で障害年金が決まったら?
すでに生活保護を利用している方が、その後に障害年金を受給することになった場合は、
担当のケースワーカーへ伝えてください。
生活保護法第61条では、収入や支出など生計の状況に変動があった場合には、速やかに届け出ることが定められています。
そのため、
障害年金の受給が始まった
受給額が変わった
など、収入に変化があった場合には、担当ケースワーカーへ確認しましょう。
「これは申告する必要があるのかな?」
と迷った場合も、自分だけで判断せずに相談してください。
特に注意|障害年金が過去にさかのぼって支給された場合
ここは特に知っておいてほしいポイントです。
障害年金を申請した結果、
過去の期間までさかのぼって、年金がまとめて支給される
ことがあります。
障害年金では、条件によって障害認定日にさかのぼって年金を請求できる場合があり、時効によって実際に遡って受け取れる年金は原則5年分が限度とされています。
そして、その過去の期間に生活保護を受けていた場合には、
生活保護法第63条に基づき、すでに受給していた保護費について返還が必要になる場合があります。
厚生労働省の生活保護に関する監査基準でも、年金を遡及して受給した場合の第63条による返還について、原則として返還対象とする取扱いが示されています。
つまり、
「障害年金がまとめて100万円入ったから自由に使える」
とすぐに判断するのは危険です。
障害年金の遡及分が振り込まれた場合は、使う前に担当ケースワーカーへ連絡してください。
実際にいくら返還する必要があるのかは、福祉事務所が個別に判断します。
生活保護法第63条って何?
生活保護法第63条は、
生活保護を受けていた方に、あとから利用できる資力があることがわかった場合などに、
すでに受け取った保護費について、一定の範囲で返還を求める仕組み
を定めたものです。
障害年金の遡及支給も、この仕組みが関係することがあります。
ただし、
返還額を本人が自分で計算して決めるものではありません。
福祉事務所が状況を確認して決定します。
わからない場合は、振り込まれたお金を使う前にケースワーカーへ確認するのが安心です。
障害年金が増えたら生活保護は必ず終わる?
必ず生活保護が終了するわけではありません。
生活保護は、
世帯の最低生活費と収入を比較して判断する制度
だからです。
障害年金が増えたとしても、障害年金を含む世帯収入が最低生活費に届かなければ、引き続き生活保護が必要と判断される場合があります。
一方で、障害年金やその他の収入が増えたことで最低生活費以上の生活ができると判断されれば、保護費が減ったり、生活保護が必要ではないと判断されたりすることがあります。
つまり、
障害年金の金額だけで決まるわけではありません。
働きながら障害年金を受けている場合は?
働きながら障害年金を受給している方もいます。
その方が生活保護を利用する場合には、
障害年金だけではなく、仕事による収入についても確認されます。
ただし、就労による収入については、生活保護制度上の必要経費や勤労に関する控除などが適用される場合があります。
そのため、
「給料が5万円あるから、生活保護費が必ず5万円そのまま減る」
と単純に計算できるとは限りません。
具体的な認定額については、担当する福祉事務所へ確認してください。
障害年金をまだ申請していない場合は?
病気やけがによって生活や仕事に制限がある場合には、一定の要件を満たすことで障害年金を受給できる可能性があります。
障害年金には主に、
- 初診日
- 保険料納付要件
- 障害の状態
などの要件があります。
生活保護を利用している方でも、障害年金の対象になる可能性がある場合には、年金事務所などへ相談して確認することが大切です。
ただし、
生活保護を利用している=障害年金を必ず受け取れる
という意味ではありません。
障害年金は障害年金の基準で個別に判断されます。
障害年金についてはどこに相談すればいい?
障害年金について確認したい場合は、
年金事務所や街角の年金相談センター
などで相談できます。
障害年金の請求手続きについて専門的なサポートを希望する場合には、社会保険労務士へ相談する方法もあります。
生活保護についてはどこに相談すればいい?
生活保護について相談したい場合は、
現在住んでいる地域を所管する福祉事務所の生活保護担当
が相談窓口になります。
厚生労働省も、生活保護について相談・申請する窓口は、現在住んでいる地域を所管する福祉事務所の生活保護担当であると案内しています。
「自分が対象になるかわからない」
という段階でも相談することができます。
縁結びに相談してもいい?
もちろん大丈夫です。
「障害年金をもらっているけど生活が苦しい」
「生活保護について相談していいのかわからない」
「障害年金・生活保護・福祉サービスが多くて、自分では整理できない」
そんな段階からでも構いません。
縁結びが障害年金や生活保護の受給可否を決めることはできません。
また、資格が必要となる障害年金の専門的な申請代行を行うものでもありません。
ただ、
今の生活状況や困っていることを一緒に整理することはできます。
そのうえで必要に応じて、
福祉事務所。
年金事務所。
相談支援事業所。
社会保険労務士。
など、適切な相談先につなげていくことができます。
制度の名前や仕組みを全部理解してから相談する必要はありません。
「お金のことで困っている」
「このままでは生活が難しい」
というところからでも大丈夫です。
まとめ|障害年金をもらっているからといって、生活保護を諦める必要はありません
障害年金と生活保護について、一番知っておいてほしいのは、
障害年金を受給していることだけで、生活保護の対象外になるわけではない
ということです。
生活保護では、障害年金を含めた世帯の収入と最低生活費を比較して、
不足する部分を生活保護で補う
という考え方になっています。
一方で、生活保護を受けている途中で障害年金の受給が始まった場合は、収入の変化として福祉事務所への届出が必要です。
また、
障害年金が過去にさかのぼってまとめて支給された場合には、生活保護法第63条に基づく返還が必要になる場合があります。
ここは特に注意してください。
障がい福祉や生活支援の現場にいる縁結びだからこそ、その人の生活を一つの制度だけで考えないことが大切だと考えています。
障害年金。
仕事。
福祉サービス。
住まい。
生活保護。
それぞれをバラバラに考えるのではなく、
「その人が安心して生活を続けるためには、何が必要なのか」
というところから考えていきましょう。
内容が難しかった方も大丈夫です。
「自分の場合はどうなる?」というところから、まずは縁結びへご相談ください。
よくある質問
障害年金をもらっていたら生活保護は受けられませんか?
障害年金を受給していることだけで、生活保護の対象外になるわけではありません。
障害年金などの収入を含めても、世帯の収入が最低生活費に満たない場合には、生活保護の対象となる可能性があります。
障害年金と生活保護を両方満額もらえますか?
基本的には、そのような仕組みではありません。
障害年金は生活保護を計算するときの収入として扱われ、最低生活費から収入を差し引いた不足分が保護費として支給されます。
生活保護中に障害年金の受給が決まったらどうしますか?
収入状況の変化になるため、担当ケースワーカーへ速やかに伝えてください。
障害年金が過去にさかのぼって振り込まれたら、使っても大丈夫ですか?
すぐに使わず、まず担当ケースワーカーへ確認してください。
生活保護を受けていた期間に対応する障害年金が遡って支給された場合には、生活保護法第63条に基づいて保護費の返還が必要になる場合があります。
障害年金だけでは生活できない場合も相談していいですか?
相談できます。
生活保護の対象になるかどうかは、世帯全体の収入・資産や生活状況などを確認して判断されます。
自分だけで「無理」と決めず、福祉事務所へ相談してください。
縁結びにも相談できますか?
大丈夫です。
障害年金や生活保護の支給を決定することはできませんが、現在の生活や困りごとを一緒に整理し、必要に応じて福祉事務所や年金事務所などの適切な相談先をご案内します。
制度についての注意点
生活保護の利用可否や保護費の金額は、世帯構成、年齢、居住地域、家賃、収入、資産などによって個別に判断されます。
障害年金についても、初診日、年金加入状況、保険料納付状況、障害の状態などによって受給の可否が個別に判断されます。
また、障害年金が過去にさかのぼって支給された場合の生活保護費の返還額についても、本人が判断するものではなく、福祉事務所が個別に決定します。
この記事は制度についての一般的な情報提供を目的とするもので、生活保護や障害年金の受給を保証するものではありません。
具体的な内容については、福祉事務所、日本年金機構・年金事務所、社会保険労務士など、それぞれの窓口へご確認ください。