「障がいがあるけれど、一人暮らしをしてみたい」

「今は家族と暮らしているけれど、そろそろ自分で生活したい」

「一人で生活できるのか、家族も本人も不安」

このようなご相談があります。

障がいがあるからといって、一律に一人暮らしができないわけではありません。

一方で、「部屋を借りることができた=一人暮らしの準備ができた」というわけでもありません。

大切なのは、すべてを一人でできるようになることではなく、苦手なことや必要な支援を整理しながら、生活を続けられる環境をつくっていくことです。

この記事では、大阪で障がいのある方の住まいや生活について支援している縁結びが、一人暮らしを始める前に考えておきたい5つのポイントを紹介します。

障がいがあっても一人暮らしはできますか?

障がいのある方が地域で一人暮らしをすることはできます。

実際に、障がいのある方の地域生活を支えるための障がい福祉サービスもあります。

ただし、必要な支援は一人ひとり違います。

「料理ができるか」

「掃除ができるか」

という一部分だけで、一人暮らしができる・できないを判断するのではありません。

住まい、お金、食事、掃除、通院、服薬、行政手続き、困ったときの相談先など、生活全体を見ながら考えていくことが大切です。

では、一人暮らしを始める前に何を考えればいいのでしょうか。

1.自分に合った「住まい」を探せるか

最初に考えたいのが住む場所です。

家賃や間取りだけではなく、

・通院している病院へ行きやすいか
・職場や日中活動の場所へ通いやすいか
・スーパーやコンビニが近くにあるか
・階段や段差に問題はないか
・静かな環境のほうが生活しやすいか
・困ったときに支援者が訪問しやすい場所か

なども考えておくと安心です。

身体障がいのある方であれば、段差やエレベーター、浴室やトイレなどの設備が重要になることがあります。

精神障がいや発達障がいのある方の場合は、人通りや騒音、周辺環境などが生活のしやすさに影響することもあります。

「一般的にいい部屋」ではなく、自分が生活しやすい部屋かどうかを考えることが大切です。

2.毎月のお金をどう管理するか

一人暮らしをすると、家賃以外にもお金が必要です。

たとえば、

・電気、ガス、水道
・食費
・スマートフォンやインターネット
・日用品
・交通費
・医療費
・その他の生活費

などがあります。

ここで大切なのは、「自分一人で完璧にお金を管理できるか」だけを考えないことです。

お金の管理が苦手な場合は、

「家賃や光熱費を先に確保する」

「支払い方法をできるだけまとめる」

「支援者と一緒に毎月確認する」

など、その方に合った方法を考えることもできます。

収入や利用できる制度についても、生活を始める前に整理しておくことが大切です。

3.食事・掃除・洗濯などをどうするか

一人暮らしでは、毎日の生活を自分で回していく必要があります。

とはいえ、

全部を一人でできなければ一人暮らしができない、ということではありません。

障がい福祉サービスの「居宅介護(ホームヘルプ)」では、対象となる方について、調理・洗濯・掃除などの家事や、入浴・排せつ・食事などの介護、生活に関する相談や助言などの支援があります。

利用できるサービスや支援内容は、その方の障がいの状態や自治体による支給決定などによって異なります。

「料理が苦手だから一人暮らしは無理」

と考える前に、

自分でできること・少し手伝ってもらえばできること・支援が必要なこと

の3つくらいに分けて整理してみると、一人暮らしのイメージが見えやすくなります。

4.通院・服薬・行政手続きを続けられるか

一人暮らしを始めると、これまで家族がしてくれていたことを自分で管理する場面が増えることがあります。

たとえば、

「病院の予約日を忘れてしまう」

「薬を飲み忘れてしまう」

「役所から届いた書類の意味がわからない」

「郵便物を開けずにためてしまう」

といったことです。

こうしたことも、一人暮らしを始める前に確認しておきたいポイントです。

全部を本人だけで管理する必要はありません。

必要に応じて、利用している福祉サービスや相談支援事業所、医療機関などと連携しながら、生活を続ける方法を考えることがあります。

5.困ったときに相談できる人がいるか

一人暮らしで特に大切なのが、

「困ったときに誰に連絡するか」

を決めておくことです。

たとえば、

「電気が止まってしまった」

「役所から書類が届いたけれど意味がわからない」

「体調が悪くなった」

「家賃や生活費について困った」

「近所の人とのことで困っている」

など、一人暮らしでは予想していなかったことが起こる場合があります。

家族に相談できる方もいれば、家族に頼ることが難しい方もいます。

家族に頼れない場合は、福祉サービスや相談支援機関なども含めて、困ったときにつながれる先を考えておくことが重要です。

一人暮らしを支える「自立生活援助」とは?

自立生活援助は、障がいのある方の一人暮らしなどを支援する障がい福祉サービスの一つです。

対象となる方について、定期的な訪問や相談対応などを行い、生活上の困りごとの把握、必要な情報提供や助言、関係機関との連絡調整などを行います。

たとえば、

「一人暮らしを始めたけれど、手続きがうまくできない」

「生活環境が変わって生活が不安定になってきた」

「困ったときにどこへ相談すればいいかわからない」

といった場合の生活を支える仕組みの一つです。

ただし、利用できるかどうかは、その方の状況などによって判断されます。

希望する場合は、お住まいの自治体や相談支援事業所などへ確認しましょう。

一人暮らしとグループホーム、どちらがいいですか?

どちらが正解というものではありません。

一人暮らしのほうが自分のペースで生活しやすい方もいます。

一方で、共同生活援助(グループホーム)のように、必要な支援を受けながら共同生活をする環境のほうが安心できる方もいます。

大切なのは、

「一人暮らしができることが自立」

と決めつけないことです。

自分に合った環境で、自分らしい生活を続けられることを考えるほうが大切です。

家族に頼れなくても一人暮らしはできますか?

家族に頼ることが難しい方もいらっしゃいます。

その場合は、

・住まい
・生活費
・日常生活の支援
・通院
・行政手続き
・緊急時の相談先

などを一つずつ整理し、必要な支援につながっておくことがより重要になります。

家族の代わりを一つの支援先だけに求めるのではなく、行政、福祉、医療、住まいなど、必要に応じて複数の支援先とつながりながら生活する方法もあります。

実際の支援では「できないこと」だけを見ません

一人暮らしの相談を受けるとき、

「料理できますか?」

「お金を管理できますか?」

「掃除できますか?」

というチェックだけをしてしまうと、その人に本当に必要な支援が見えにくくなります。

たとえば料理が苦手でも、食事を確保する方法があれば生活できる場合があります。

掃除を一人ですることが難しくても、利用できる支援があるかもしれません。

行政の書類が苦手でも、一緒に確認できる人や支援先があれば対応できる場合があります。

だからこそ大切なのは、

「何ができないか」ではなく、「どうすれば生活を続けられるか」を考えること。

縁結びでも、現在の生活状況やお身体の状態を伺いながら、その方に合った暮らし方を一緒に整理していきます。

縁結びではどんな相談ができますか?

縁結びでは、大阪で障がいのある方や、生活・住まいに困っている方の相談を受けています。

たとえば、

「実家を出て一人で暮らしたい」

「家族に頼ることが難しい」

「自分に合う住まいがわからない」

「役所の手続きを一人でするのが不安」

「入居した後の生活も心配」

といった段階からご相談いただけます。

現在の状況を伺いながら、利用できる制度や住まい探しの進め方を一緒に整理し、必要に応じて役所への申請同行や入居に向けた手続き、関係機関との連携、入居後の生活についての支援を行っています。

ただし、障がい福祉サービスの利用については、自治体による支給決定などが必要になる場合があります。

縁結びが行政の判断を決定したり、特定の福祉サービスを必ず利用できるとお約束したりすることはできません。

大阪で一人暮らしを考えている方へ

一人暮らしを考えたとき、

「自分にできるかな」

と不安になることもあると思います。

そんなとき、最初から一人で全部できる状態を目指す必要はありません。

まずは、

自分でできること。
少し手伝ってもらえばできること。
支援が必要なこと。

を整理してみる。

そこから、自分に合った住まいや生活の形を考えていくことができます。

まだ一人暮らしをすると決めていなくても構いません。

「一人暮らしをしてみたいけれど、何が必要かわからない」

という段階から、これからの暮らしについて一緒に考えていきましょう。

よくある質問

Q.障がいがあっても一人暮らしはできますか?

障がいがあることだけで、一律に一人暮らしができないと決まるものではありません。必要な支援や生活環境は一人ひとり異なるため、住まい・生活費・日常生活・通院・相談先などを整理しながら考えることが大切です。

Q.料理や掃除ができなくても一人暮らしできますか?

すべての家事を一人でできなければならないわけではありません。対象となる方は、居宅介護などの障がい福祉サービスを利用できる場合があります。利用条件や支援内容については自治体などへの確認が必要です。

Q.家族に頼れなくても一人暮らしできますか?

家族以外にも、行政、相談支援、障がい福祉サービス、医療機関などとつながりながら生活する方法があります。どのような支援が必要かは、その方の状況によって異なります。

Q.一人暮らしとグループホームはどちらがいいですか?

どちらが一律に良いというものではありません。一人で生活するほうが合う方もいれば、共同生活の中で支援を受けるほうが安心できる方もいます。本人がどのような暮らしを希望しているか、どの程度の支援が必要かを整理して考えます。

Q.まだ一人暮らしをするか決めていなくても相談できますか?

「一人暮らしをしてみたいけれど不安」という段階から、今後の暮らしについて相談できます。まず現在の生活や困っていることを整理するところから始められます。